腰を揉んでも戻る腰痛|背中や肋骨の動きが関係する理由

腰に手を当てる男性と、繰り返す腰痛に背中や肋骨の動きが関係することを伝える画像
整体りびるどブログ / 腰痛

腰を揉んでも戻る腰痛は、背中や肋骨の動きも確認したい理由

腰を揉んでも、その場では楽になる。
でも、しばらくするとまた重くなる。
そんな腰痛では、腰だけでなく背中や肋骨まわりの動きも確認しておきたいところです。

松本市岡田の整体りびるど / 理学療法士 テラサワ

長く座ったあとに立ち上がると、腰が固まっている。 身体をひねったとき、背中ではなく腰ばかり動いている気がする。 腰を揉んでもらうと軽くなるけれど、また同じところがつらくなる。

こうした腰の悩みが続いている場合、確認したいのは腰だけではありません。 身体全体の動きを見ると、腰そのものよりも、背中や肋骨まわりの動きにくさが目立つことがあります。

背中が十分に動かないと、本来は背中や股関節で分担するはずの動きを、腰が補うことがあります。

その状態で、座る、立つ、振り向く、歩くといった動作を繰り返せば、腰に張りや負担を感じやすくなることがあります。

この記事では、胸椎や肋骨を含む部分を、 分かりやすく「背中や肋骨まわり」と表現し、 腰痛との関係を理学療法士の視点から整理していきます。

長く座ったあとに立ち上がり腰の重さを感じている男性
腰のつらさが繰り返すときは、腰以外の動きも確認する必要があります
胸郭の基本

胸郭とは、どの部分のこと?

胸郭という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれません。 胸郭とは、主に背中側にある胸椎、胸椎から左右へ伸びる肋骨、胸の前側にある胸骨、呼吸に関わる筋肉などでつくられる部分です。

ざっくり言えば、胸から背中にかけて身体を囲んでいる箱のような部分です。 胸郭には心臓や肺を守る役割がありますが、それだけではありません。

息を吸うときには肋骨が広がり、身体をひねるときには背中の骨が動きます。 つまり胸郭は、呼吸だけでなく、振り向く、歩く、腕を伸ばすといった日常動作にも関係する部分です。

胸郭は、固定された箱ではありません。

息を吸うときには肋骨が広がります。

身体をひねるときには胸椎が回旋します。

背中や肋骨は、日常生活の中で本来少しずつ動いている部分です。

腰へ負担が集まりやすい理由

背中が動きにくいと、なぜ腰へ負担が集まるのか

身体は、一つの関節だけで動いているわけではありません。 たとえば後ろを振り向く動作では、背中、腰、骨盤、股関節などが少しずつ動きます。

それぞれの場所で動きを分担できれば、一部分だけに負担が集中しにくくなります。 ところが、背中や股関節が動きにくくなると、腰が本来ほかの部分で分担するはずの動きまで補うことがあります。

問題になるのは、腰が動くこと自体ではなく、本来ほかの部分が担当するはずの動きまで腰に偏っている状態です。

腰にも本来必要な動きがあります。 ただ、背中、骨盤、股関節が十分に動かないまま日常動作を繰り返すと、腰へ負担が偏りやすくなることがあります。

背中と腰と骨盤と股関節が身体をひねる動きを分担する仕組み
背中や股関節の動きが少ないと、腰が動きを補う割合が増えることがあります
ひねる動き

身体をひねる動きは腰だけで行っていない

後ろを振り向く、車の乗り降りをする、洗濯物を取る、ゴルフやテニスで身体を回す。 こうした動作では、身体をひねる動きが必要です。

しかし、ひねる動きを腰だけで行おうとすると、腰の一部分に負担が集中しやすくなります。 とくに、座ったまま後ろを振り向く、歩いていると腰の片側だけが張る、寝返りで腰が重いといった場合は、背中や肋骨まわりの動きも確認したいところです。

椅子に座ったまま後ろを振り向くと腰がつらい

車の後部座席にある荷物を取るときに腰が張る

掃除機をかけながら身体をひねると違和感がある

ゴルフやテニスのあとに腰が重くなる

寝返りをすると腰が詰まる

こうした動きで症状が出るからといって、必ず胸郭だけが原因だと決めつけることはできません。 ただ、腰だけを確認しても理由がはっきりしないときには、背中、肋骨、骨盤、股関節まで範囲を広げて見る価値があります。

呼吸との関係

呼吸と腰の動きにも関係があります

胸郭の動きは、身体をひねる動作だけでなく呼吸にも関係します。 息を吸うと横隔膜が下がり、肋骨が前後左右へ広がります。 息を吐くと、肋骨は内側へ戻っていきます。

このとき、胸の前だけが動いているわけではありません。 本来は、胸の前側だけでなく、脇腹や背中側の肋骨にも動きが生まれます。

ところが、長時間同じ姿勢が続いたり、常に身体へ力を入れていたりすると、肋骨や背中の動きが小さくなることがあります。 その結果、腰や腹部に入る力のバランスも変わりやすくなります。

呼吸に合わせて肋骨が十分に広がらないと、身体をひねる、反る、腕を伸ばすといった動作でも背中の動きが小さくなり、腰へ動きが集まりやすくなる場合があります。

呼吸に合わせて脇腹や背中側の肋骨が広がる仕組み
呼吸では胸の前だけでなく、脇腹や背中側の肋骨も動きます
深呼吸をすれば、すべての腰痛がよくなるという意味ではありません。

呼吸はあくまで、身体の状態を確認する一つの要素です。 腰痛の状態によっては、呼吸よりも股関節、神経、筋力、生活動作などを優先して確認する必要があります。

確認したいサイン

背中や肋骨の動きも確認したい人の特徴

次の項目に当てはまる場合は、腰だけでなく背中や肋骨まわりの動きも確認してみてください。

腰を揉んでも、すぐに張りが戻ってくる

身体をひねると腰の一部分に動きが集中する

胸を張ろうとすると腰を大きく反ってしまう

長時間座ったあと、背中から腰まで固まる

深呼吸しても背中や脇腹が広がりにくい

歩くときに腕や背中の動きが少ない

片側の腰ばかり繰り返し張る

もちろん、一つ当てはまっただけで胸郭に問題があるとは判断できません。 大切なのは、腰が痛いという結果だけではなく、その痛みがどの動作で起きているのかを確認することです。

セルフチェック

自宅でできる簡単な動きの確認

椅子に座った状態で、身体を左右へひねってみましょう。 痛みを我慢して大きく動かす必要はありません。

安定した椅子に浅く座る

足の裏を床につける

腕を胸の前で軽く組む

正面を向いた状態から、ゆっくり右へ振り向く

正面へ戻り、同じように左へ振り向く

このとき、左右で振り向きやすさが大きく違わないか、背中から自然に回っているか、腰の一部分だけに詰まりを感じないかを確認します。

左右差があること自体が、すぐに異常を意味するわけではありません。

ただし、いつも痛む側だけ動きにくい、腰の一部分に詰まりが出る、動かしたときに普段の症状が再現される場合は、身体の使い方を確認する手がかりになります。

痛みを我慢して動かさないでください。動かしたときに強い痛みやしびれが出る場合は、そこで中止してください。

大切な考え方

胸郭を動かせば腰痛がよくなる、ではありません

ここまで読むと、「背中が硬いなら、とにかく胸郭を動かせばいい」と思うかもしれません。 ですが、実際の腰痛はそれほど単純ではありません。

腰痛には、腰椎そのものの動き、骨盤や股関節の動き、筋力、神経の状態、仕事や生活で繰り返している動作、睡眠や疲労、痛みに対する不安や緊張など、さまざまな要素が関係します。

大切なのは、硬い場所探しではなく、実際の動作の中で身体がどう連動しているかを見ることです。

背中が動きにくく見えても、本当に背中を積極的に動かした方がよい人もいれば、先に腰や股関節の状態を整えた方がよい人もいます。 可動域が十分にあっても、動くタイミングや力の入り方に偏りがあれば、腰に負担を感じることがあります。

医療機関の目安

先に医療機関へ相談した方がよい症状

腰痛の中には、整体やセルフケアよりも先に医療機関での確認が必要なケースがあります。 次のような症状がある場合は、自己判断で運動を続けないでください。

転倒や事故のあとから強い痛みが続いている

安静にしていても痛みが強くなる

夜中に痛みで目が覚め、姿勢を変えても楽にならない

発熱や強い倦怠感を伴っている

理由の分からない体重減少がある

脚に力が入りにくくなっている

しびれの範囲や強さが急に広がっている

排尿や排便の感覚に異常がある

がん、感染症、骨粗しょう症などの既往がある

こうした症状がある場合は、整形外科などの医療機関へ相談することをおすすめします。

整体りびるどの見方

整体りびるどで確認していること

整体りびるどでは、腰の痛みがある場合でも、腰だけを施術して終わることはあまりありません。 問診で症状の経過を確認したうえで、どの姿勢や動作で腰に負担が集中しているかを見ていきます。

どの姿勢や動作で腰に症状が出るのか

胸椎や肋骨が左右へ動いているか

肋骨が呼吸に合わせて広がっているか

腰の一部分だけが大きく動いていないか

骨盤や股関節が必要な範囲で動いているか

歩くときに背中と骨盤が連動しているか

身体へ必要以上に力を入れていないか

私が理学療法士として特に重視しているのは、動くべき場所が必要なタイミングで動いているか、という点です。 同じ腰痛でも、身体で起きていることは一人ひとり違います。 そのため、全員に同じストレッチや運動をすすめることはしていません。

まとめ

腰痛が続くときは、背中の動きも確認してみましょう

腰痛があるからといって、必ず腰だけに原因があるとは限りません。 背中や肋骨、股関節の動きが少なくなり、腰が本来ほかの部分で分担するはずの動きまで補っていることがあります。

身体をひねる動きは、背中・腰・骨盤・股関節で分担している

背中が動きにくいと、腰が動きを補う場合がある

肋骨や横隔膜の動きは、呼吸や体幹の使い方に関係する

胸郭を動かすだけで、すべての腰痛が改善するわけではない

大切なのは、実際の動作を確認して必要な方法を選ぶこと

腰を繰り返し揉んでもすぐに戻ってしまう場合は、背中や肋骨を含めた身体全体の動きを一度確認してみてもよいかもしれません。

ご相談・ご予約

腰だけでなく、身体全体の動きから確認します

腰痛の状態や生活で困っている動作を伺い、背中、肋骨、骨盤、股関節なども含めて確認します。

「腰を揉んでもすぐに戻る」
「身体をひねると、腰の片側だけが痛む」
「背中から腰まで固まっている感じがする」

このようなお悩みがある方は、腰以外の動きも含めて一度確認してみてください。

無理に通院をすすめることはありません。現在の状態を一度整理したい方も、お気軽にご相談ください。

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FAQ

腰痛と背中の硬さについてよくある質問

背中が硬いと、必ず腰痛になりますか?

必ず腰痛になるわけではありません。背中が硬くても症状のない人はいます。背中の動きにくさに加えて、腰や骨盤、股関節の動き、仕事や生活で繰り返す姿勢などが重なることで、腰に負担が集中する場合があります。

腰痛には胸を張った方がよいですか?

無理に胸を張る必要はありません。胸を張ろうとして腰を強く反ってしまうと、かえって腰がつらくなることがあります。背中や肋骨が自然に動き、腰だけに力が入らない状態を目指すことが大切です。

深呼吸をすると腰痛はよくなりますか?

呼吸の練習が腰痛の改善に役立つ可能性はありますが、深呼吸だけですべての腰痛がよくなるわけではありません。症状や身体の状態に合わせて、動き方や生活動作の見直しと組み合わせる必要があります。

身体をひねるストレッチをしても大丈夫ですか?

軽く動かして違和感がない範囲であれば問題ないこともあります。ただし、ひねったときに痛みやしびれが強くなる場合は中止してください。強くひねれば動きがよくなるとは限りません。

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