ストレートネックと肩こり、いわゆる「スマホ首」とどう付き合うか

スマホを見ながら首と肩のこりに悩む40代女性と、頭が前に出たスマホ首・ストレートネックのイメージイラスト

レントゲンで「ストレートネックですね」と言われて、不安になった経験がある方も多いと思います。最近は「スマホ首」という言葉もよく聞きますよね。
松本市周辺でも、整体りびるどに来られる方のなかに「このまま放っておくと危ないのかな…」と心配そうな表情で相談される方が増えています。

結論から言うと、ストレートネック=すぐに大きな病気、というわけではありません。ただし、首や肩の筋肉に負担がかかりやすい「状態」ではあるので、日々のクセと使い方を見直してあげる価値は十分あります。
この記事では、「レントゲンの形」よりも、日常の姿勢やスマホとの付き合い方に目を向けることで、首や肩が少しラクになっていく道筋をお伝えしていきます。

良ければ合わせてこちらの記事もご覧ください。


1. 「スマホ首かも…」と感じて来られる方が増えています

整体りびるどに来られる30〜70代の方の中でも、ここ数年特に多いのがこんな声です。

  • 「スマホを見ていると、首から肩にかけてじわじわ重くなる」
  • 「レントゲンでストレートネックと言われてから、余計に不安になった」
  • 「頭の位置が前に出ている気がして、写真を見るとショックだった」

仕事でパソコンを長時間使う方に限らず、家事の合間にスマホを眺める時間が長い主婦の方や、定年後にタブレットで動画やニュースを見る時間が増えたという方にも多く見られます。

研究でも、スマホやパソコンなどの「座りっぱなし+画面作業」の時間が1日6時間を超えると、首の痛みのリスクが大きく上がる、と報告されています。特にスマホ使用は、首の痛みのリスクを約1.8倍に高めるというデータもあります。The Washington Post

「年齢のせいかな」と片づけてしまいがちな首・肩のつらさですが、実は「頭の位置」と「スマホやPCとの付き合い方」を少し調整するだけで、ラクになる余地がまだまだ残っていることが多いです。


2. ストレートネック&スマホ首と言うとき、首では何が起きているのか

ストレートネックとは、本来ゆるやかなカーブを描いている頸椎(首の骨)が、レントゲン上まっすぐに近い形に見える状態を指します。

ここで大事なのは、「形そのもの」よりも「その形になってしまうような日常の姿勢や筋肉の使い方」です。

スマホ首の典型パターン

スマホ首・ストレートネックの方には、こんな共通点がよく見られます。

  • 頭が体より前に出ている
  • 顎が少し前に突き出ている
  • 背中が丸くなり、肩が内側に巻き込み気味
  • 肩甲骨が外に広がりっぱなし

頭の重さはボーリングの球くらいと言われます。その頭がほんの少し前に出るだけで、首の後ろ側の筋肉には何倍もの負担がかかります。ある姿勢研究では、頭が2〜3cm前に出るごとに、首の筋肉にかかる負荷が大きく増えることが報告されています。wildchiropractic.com.au+1

レントゲンで「ストレートネックですね」と言われると、「もう元には戻らないのかな」と不安になる方も多いですが、実際には

  • 日によって首のカーブの出方が変わる
  • 同じようなレントゲンでも、痛みが強い人とほとんど症状がない人がいる

といったことも分かっています。大事なのは「カーブが何度か」より、「日常で首がどんな負担を受け続けているか」です。


3. 筋肉・関節・自律神経から見る「スマホ首と肩こり」のメカニズム

3-1. 頭が前に出ると、どの筋肉に負担がかかる?

頭が前に出た姿勢では、首の後ろ側の筋肉(後頭下筋群・僧帽筋上部など)が、ずっと頭を支え続ける状態になります。同時に胸の筋肉(大胸筋など)は縮こまり、肩甲骨まわりの筋肉(菱形筋・下部僧帽筋など)は伸ばされっぱなしになりがちです。

前方頭位(頭が前に出た姿勢)の人では、首の伸展筋の持久力が下がり、首の痛みや障害の程度が強くなるという研究報告があります。PMC

また、スマホを前かがみ姿勢で長時間見続けると、首や肩の筋肉に疲労がたまり、痛みが出やすくなることも示されています。J-STAGE+1

3-2. 関節と「動かさなさすぎ」の問題

前かがみ姿勢が続くと、首だけでなく胸椎(背中の骨)や肋骨も硬くなり、上を向いたり、左右を振り向いたりといった動きの「余裕」が減ってきます。

  • 上を向こうとすると、首の付け根がつまるような感じ
  • 真横を振り向きたいのに、肩ごと身体を回してしまう

こういった状態が続くと、首のある一点だけがねじれたり、詰まったりしやすくなり、その周りの筋肉や関節に防御反応としての「こわばり」が出てきます。

3-3. 自律神経と痛み・こり感

長時間同じ姿勢でスマホやPC画面を見続けると、筋肉の疲労だけでなく、自律神経にも負荷がかかります。画面に集中し続けることで交感神経優位の時間が増え、筋肉の血流が低下しやすくなるからです。

最近のレビュー研究では、「座りっぱなしでの画面作業」が長くなるほど、首の痛みのリスクが高まることが示されています。特にスマホ時間が長い人ほど首の痛みの頻度が高かった、というデータもあります。The Washington Post+1

  • 筋肉の疲労
  • 関節の動きの偏り
  • 自律神経の緊張

これらが重なったところに、ストレスや睡眠不足、冷えなどが加わると、「ただの肩こり」だったものが、頭痛・めまい・吐き気を伴うつらさへと広がっていくこともあります。


4. ついやってしまう生活パターンと、整体で見るポイント

4-1. よくある生活パターン

松本市周辺でお話を伺っていると、こんな一日の流れの方が多い印象です。

  • 朝から通勤・送迎で車の運転
  • 日中はパソコン作業や事務仕事で座りっぱなし
  • 合間の休憩や夕方以降はスマホでSNS・ニュース・動画
  • 夜はベッドでスマホを見ながら寝落ち

これに家事・育児・介護が重なると、首や肩を休ませる時間がほとんど無くなります。

ある研究では、スマホ使用中の前方頭位の人は、姿勢の安定性が低下し、首や肩の不調につながりやすいと報告されています。E-ARM+1

4-2. 整体りびるどが見る順番

整体りびるどでは、「ストレートネックだから首だけをもむ」ということはしません。首まわりを丁寧に触るのはもちろんですが、次のような順番で全体を見ていきます。

  1. 胸椎・肋骨・胸郭の動き
  2. 肩甲骨と腕の動き方
  3. 骨盤や股関節の安定性
  4. そのうえで、首の関節と筋肉の協調

首は「頭の土台」であると同時に、「胸郭と体幹の上に乗っている存在」でもあります。土台である胸郭がガチッと固まったまま首だけを緩めても、数日で元に戻りやすくなってしまうからです。

4-3. セルフケアと整体、それぞれの役割

  • 姿勢の意識づけ
  • スマホ時間の調整
  • 簡単なストレッチや体操

こういったものは、ご自身で続けていただくことが一番の土台になります。

一方で、

  • 上を向くと首の付け根が鋭く痛む
  • どんなストレッチをしても、首まわりだけ余計に緊張してしまう
  • 肩甲骨や胸郭がガチガチで、自分ではうまく動かせない

こんな場合は、無理に自己流で頑張り続けるより、からだの専門家と一緒に土台から整えていった方が安全なことも多いです。


Q&A:よくいただくご質問

Q1. レントゲンでストレートネックと言われました。どのくらいつらさが続いたら相談した方がいいですか?

目安として、

  • 2〜3週間以上、首や肩のつらさがほぼ毎日続く
  • 市販の湿布や軽いストレッチではほとんど変化がない
  • 朝起きたときから首の重さ・だるさが強い

こういった状態が続く場合は、一度ご相談いただくと良いと思います。
ただし、手足のしびれ・力が入りにくい・転倒しやすい・強い頭痛や発熱を伴う場合は、まず整形外科や脳神経外科などの医療機関を優先してください。

Q2. 整体と病院、どちらに行けばいいか迷っています

  • 交通事故や転倒後の強い痛み
  • 夜眠れないほどの激痛
  • 手足のしびれが急に強く出てきた

こういった場合は、レントゲンやMRIでしっかり確認できる病院受診が優先です。

一方で、

  • 検査では「大きな異常はない」と言われた
  • でも、日常生活では首や肩の重さが続いてつらい
  • 姿勢や使い方を見直したい

といったケースでは、整体やリハビリ専門職の視点が役に立つことが多いです。整体りびるどでは、必要に応じて医療機関受診をおすすめすることもありますので、迷われる場合はそのままご相談いただいて大丈夫です。

Q3. どれくらいの頻度で通うと、スマホ首・ストレートネックの改善を実感しやすいですか?

状態にもよりますが、

  • 集中的に整えたい時期:1〜2週間に1回を数回
  • 落ち着いてきたら:3〜4週間に1回のメンテナンス

このくらいのペースを目安にされる方が多いです。
ただ、「何回で治ります」と言い切るよりも、「日常のクセの修正」とセットで進める方が結果的に良い変化が長持ちしやすい印象があります。頻度については、初回の状態を拝見したうえで一緒に相談しながら決めていきます。


5. 今日からできる小さなケアと、専門家に任せてほしい部分

最後に、「全部は無理でも、ここだけ少し意識してみてほしい」というポイントをいくつか挙げておきます。

小さなケアの例イメージ
スマホを見る位置を顔の正面に近づける顎を引き、目線の高さに近い位置で持つ
30〜40分ごとに首と肩を大きく回すたった1〜2分でOK。椅子から一度立ち上がるのも◎
胸をひらくストレッチを1日数回ドア枠ストレッチ・タオルを背中に当てて反らす など
ベッドスマホを「5分だけ」にするだらだら見続けないために時間を区切る

「完璧な姿勢を24時間キープする」必要はありません。
1日のうち数回だけでも、頭の位置をリセットしてあげる時間をつくることで、首や肩の筋肉にたまる負担はかなり変わります。

それでも、

  • 朝起きた瞬間から、首〜肩の重さが強い
  • めまいや頭痛を伴うことが多い
  • ストレッチをすると、かえって首がこわばる

こんなときは、一人で抱え込まずに、信頼できる専門家に相談してみてください。

整体りびるどでは、レントゲン画像だけでは見えない「使い方のクセ」や「からだ全体のつながり」に目を向けながら、首・肩の負担を少しずつ減らしていくお手伝いをしています。
セルフケアで届きにくい部分は、専門家と一緒に整えていく。そんな選択肢も心の片隅に置いておいてもらえたらうれしいです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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