「呼吸が浅いと冷えやすい」──体温をつくるのは“空気の出入り”だけじゃない

呼吸と冷えの関係を理学療法士テラサワが解説する整体ブログ記事|松本市 整体りびるど

「冷え性を改善したいなら、まず呼吸を整えてください」と伝える理由

冬になると、多くの人が「冷え性でつらい」「足先だけ氷のように冷たい」と相談に来られます。
そしてほとんどの場合、呼吸をチェックすると浅い・速い・胸だけで吸っているという共通点があります。

呼吸と冷え?
一見、遠いようでいて、実は切っても切れない関係です。

呼吸には以下の3つの重要な働きがあります。

  1. 自律神経のスイッチを切り替える
  2. 深部体温の調整に関わる横隔膜を動かす
  3. 体幹の血流を改善し、末端への循環を後押しする

つまり呼吸の乱れは、そのまま“冷えの原因”になります。

ここから「構造・神経・感覚」の3つの視点で、呼吸と冷えのつながりを深堀りしていきます。


呼吸が浅いと、なぜ冷えるのか?

① 構造の視点:胸郭が動かないと“温かい血”が末端まで届かない

呼吸は肺だけでしているように見えて、実際は胸郭(肋骨まわり)と横隔膜の運動で成り立っています。
この胸郭が硬くなると、呼吸は自然と浅くなります。

胸郭が硬い → 横隔膜が下がらない → 血液が十分に動かない

体幹部の循環が弱り、温かい血液が手足まで届きにくくなる

特にデスクワークが多い人は、
・猫背
・肩が前に巻く
・肋骨が締まりすぎる
などにより、本来広がるべき胸郭が“ロック”された状態に近くなります。

その結果、呼吸が浅くなり、血の巡りも悪くなり、冷えやすい身体へ。

これは“呼吸筋”の問題であり、同時に“姿勢構造”の問題でもあります。


② 神経の視点:呼吸は自律神経の“リモコン”

呼吸のスピードは、そのまま自律神経の状態を反映しています。

浅く・速い呼吸
→ 交感神経が優位(緊張・戦闘モード)
→ 末端の血流が減る(血管収縮)
→ 冷えやすくなる

ゆっくり・深い呼吸
→ 副交感神経が優位(休息・回復モード)
→ 血管が広がる
→ 体が自然に温まる

つまり呼吸の質は、体温調節のスイッチそのものなんですね。

実際、施術中に「深く吐く」ことを意識してもらうだけで、
手足の温度が上がっていくのが触っていてわかります。
これは神経と血管が同時に“緩む”瞬間です。


③ 感覚の視点:呼吸の乱れは“体の内側を感じにくい状態”につながる

冷え性の人は、共通して体の内側の感覚がぼやけていることが多いです。

呼吸が浅い人ほど、
・肩や胸で吸う
・腹部が固まる
・体幹の感覚が抜けている
という特徴があります。

この状況は“自分の体の内側を感じる力(内受容感覚)”の低下ともいえます。
内側が感じられないと、脳は「体温調整の判断」をうまく行えず、
結果として冷えが慢性化していきます。

呼吸は“内側を感じる練習”でもあるので、
呼吸を整えること=感覚を整えること
でもあるのです。


臨床で見えてくる「呼吸が整うと冷えが改善する理由」

施術で胸郭・横隔膜の動きを引き出すと、多くの人に以下の変化が起こります。

・肩の力が抜ける
・呼吸が自然と深くなる
・体幹が温かくなり手足の冷えが軽減
・姿勢のクセが緩まりやすくなる

これは“呼吸の改善 → 神経の調整 → 体温調整の正常化”という順番で変化が起きるからです。

興味深いのは、多くの人が“呼吸が整ったことそのもの”に気づいていないこと。
呼吸は意識していなくても変わるし、
無意識の変化こそが自律神経が整った証拠です。


日常でできる「呼吸から温める」整え方

① 1日の始まりに「吐く」を3回

吸うよりも吐くを意識。
長く吐くことで副交感神経が働き、体の緊張が抜けます。

おすすめは、
5〜7秒かけてゆっくり吐く
これだけで体幹の温かさが変わります。


② 胸郭ストレッチで“呼吸スペース”を確保

両手を後ろで組み、胸を開きながら深呼吸。
肋骨と胸郭を広げることで横隔膜が働きやすくなります。


③ お腹を軽く触れて「呼吸が届く感覚」を取り戻す

仰向けで、おへその下に手を置き、
呼吸がそこに届くかどうかを静かに観察します。

感じようとしなくて大丈夫。
「触れているだけ」で十分変化が起きます。


④ スマホを見る前に1回深呼吸

スマホの光と情報は、交感神経を一気に高めます。
1回の深呼吸でブレーキをかけるだけでも、冷えの予防に効果的。


まとめ|冷えを改善する鍵は“呼吸の質”にある

呼吸が浅いと体は冷えます。
血流だけではなく、
神経・姿勢・感覚がすべて呼吸に影響するからです。

呼吸は「空気の出入り」ではなく、
身体を整えるための“内部リセットボタン”

・深く吐く
・胸郭を広げる
・横隔膜を動かす
・内側を感じる

これらを積み重ねていくことで、
冷えは“温める”だけでは届かなかった領域から改善していきます。

冷えが強くなる季節こそ、
呼吸を整えることで内側から温まる身体を取り戻していきましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
心身の不調でお悩みのことがあれば、松本市岡田の整体りびるどへお気軽にご相談下さい。

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