Q.膝が腫れているとき、動かしていいの?【深堀りQ&A】
A.腫れの“段階”によって対応が変わります。
炎症が強いときは「守る安静」が必要ですが、
落ち着いてきたら「動かすことで整う安静」が大切になります。
つまり、「安静にする」か「動かす」かではなく、“いつどう動かすか”が鍵です。
目次
🔍腫れ=「壊れた」ではなく「守っている」
膝が腫れると「水がたまった」「悪化した」と不安になりますが、
実際には身体が**“組織を守るために反応している状態”**です。
膝の関節液は、関節の中を潤滑・保護するために存在します。
炎症や刺激が加わると、身体は防御反応として関節液を増やし、
摩擦を減らして回復しようとするのです。
つまり、腫れは“壊れた結果”ではなく“修復の途中”。
だからこそ、炎症が強いときに無理に動かすと、回復が長引くことがあります。
💡急性期は「守る安静」で整える
腫れが出始めて2〜3日ほどは、炎症による熱感・張りが強い時期。
この時期は“修復モード”を邪魔しないように、
「安定させること」=守る安静が大切です。
・長時間立ちっぱなしを避ける
・膝を少し高くして休む
・冷やしすぎず、軽く支える感覚で安定させる
痛みを我慢して動かすよりも、
「膝を支えてあげる」意識が必要です。
🧩回復期に入ったら“感じながら動かす”
腫れや痛みが落ち着いてきたら、
徐々に動かしていくことが回復のスイッチになります。
なぜなら、関節液は動くことで循環するから。
じっとしていると液が滞り、栄養や老廃物の交換がうまくいきません。
・イスに座って、軽く膝を曲げ伸ばし
・足首をゆっくり上下に動かす
・呼吸に合わせて、太ももやふくらはぎを“感じながら”動かす
これらの動きは、関節や筋膜の滑りを促し、
腫れの再吸収を助けてくれます。
2022年の報告(Kurosawa et al., Journal of Orthopaedic Research)でも、
軽度運動による関節液の循環改善と炎症抑制効果が確認されています。
💡“動かす安静”のコツ
回復期の動かし方にはポイントがあります👇
① 痛みを“超えない範囲”で動かす
痛みが出る手前で止める。
「動かす勇気」より「感じ取る丁寧さ」が大事です。
② 動かすのは膝だけじゃない
股関節や足首を軽く動かすことで、膝への負担を減らしながら全体の循環を促せます。
③ 呼吸を止めない
動きと呼吸を合わせることで、筋緊張が和らぎ、
神経の防御反応が解除されやすくなります。
🔍腫れが続くときは“流れ”を見直す
慢性的に膝が腫れやすい人は、
「膝だけ」で支えるクセがあることが多いです。
- 立っているとき、足裏の外側に重心が寄っている
- 股関節や骨盤の動きが小さく、膝が代わりに頑張っている
- 呼吸が浅く、体幹の安定感が弱い
これらの状態では、膝関節まわりの循環が滞り、
小さな炎症が繰り返されやすくなります。
“膝の問題”を超えて、“全体の流れ”を整えることが再発予防につながります。
🧠まとめ
膝の腫れは「悪化のサイン」ではなく、身体が守っている証拠。
大切なのは、炎症期には「守る安静」、
落ち着いたら「感じながら動かす安静」へと切り替えること。
痛みを恐れず、丁寧に身体の声を聴いていく。
それが“戻る力”を引き出す第一歩です。
膝の腫れで対処に困っているのであれば、松本市岡田の整体りびるどへお気軽にご相談ください。







