Q.猫背を直そうとしてもすぐ戻るのはなぜ?【深堀りQ&A】
Q.姿勢を正そうとして胸を張っても、しばらくするとまた猫背に戻ってしまいます。
やっぱり意識が足りないんでしょうか?
A.意識の問題ではありません。
**“形だけを変えようとして、感覚が変わっていない”**ことが原因です。
つまり、「背すじを伸ばす」ではなく、
「身体が自然に伸びていられる状態」を思い出す必要があるんです。
目次
🔍猫背は“形”ではなく“感覚の結果”
多くの人は、猫背を「背中が丸い姿勢」と考えますが、
実際には 「支えと感覚のズレ」 が起きている状態です。
たとえば──
- 床を感じる足裏の感覚が鈍い
- 骨盤の支えが抜けている
- 呼吸が浅く、胸郭が硬い
これらが重なると、身体は自然に“丸まったほうが安定する”と判断します。
つまり、猫背とは「悪い姿勢」ではなく、
“今の身体にとって安全な形” なんです。
💡胸を張っても戻るのは、「支え」が変わっていないから
背中を無理に伸ばしても、
下半身や体幹の“支え”が変わっていなければ、
身体はすぐに元の丸い状態に戻ります。
人間の身体は、筋肉だけで姿勢を保っているわけではありません。
骨・筋膜・呼吸・重心感覚が連動して、
全体でバランスを取りながら「最も楽な形」を選んでいます。
だから、上半身だけで姿勢を直そうとすると、
身体は「不安定」と感じ、元の“安全な姿勢”に戻るんです。
🧠「感覚を再教育する」ことが本当の意味での“姿勢改善”
猫背を本質的に変えるには、
形ではなく “感覚の再教育” が欠かせません。
① 支えを感じる
まずは足裏・坐骨・骨盤底など、身体を支えるポイントを再認識すること。
重心を感じ取れるようになると、背すじは“意識せずに”伸び始めます。
② 呼吸を整える
呼吸が浅いと、胸郭が固まり、背中を丸めることで吸いやすくなります。
ゆっくりと“背中に入る呼吸”を意識するだけで、
胸を張らなくても胸郭が自然に開いていきます。
③ 感覚を「安心」に戻す
身体が不安定だと、脳は“守りの姿勢”をとります。
安全を感じられるポジション(支え・呼吸・重心)を再学習することで、
自然と緊張が解け、姿勢が整いやすくなります。
📚研究でも示される「感覚と姿勢の関係」
2020年の報告(Proske & Gandevia, Physiological Reviews)では、
姿勢の制御は筋力ではなく“身体位置の感覚(プロプリオセプション)”によって決まる
とされています。
また、2022年の研究(Ritzmann et al., Neuroscience Letters)では、
足底感覚への刺激が姿勢制御能力を向上させることが報告されており、
「支えを感じる感覚」が姿勢を安定させることが科学的にも裏づけられています。
🌿まとめ
猫背を直そうとしてもすぐ戻るのは、
“形を変えても感覚が変わっていないから”。
胸を張る努力よりも、
足裏・骨盤・呼吸といった“支えの感覚”を整えることが大切です。
姿勢とは、意識で作るものではなく、
身体が安心できる場所を思い出したときに自然に整うもの。
整えるとは、“背すじを伸ばすこと”ではなく、
“支えと感覚を取り戻すこと” なんです。
猫背を根本的に改善したい!そんな時は是非、松本市岡田の整体りびるどにご相談ください。







