Q.温めても冷えが取れない人に共通することは？｜深堀りQ&A
Q．手足が冷えるので、靴下やカイロで温めてもなかなかポカポカしません。
なぜ温めても冷えが取れないんでしょうか？
A．それは、“感覚と神経のスイッチが切り替わっていない” からです。
身体が「まだ危険だ」と感じている状態では、外から温めても“内側”が安心できません。
目次
🔍冷えは「温度」ではなく「神経バランス」の問題
冷えというと、血流や温度の問題と思われがちですが、
本質的には 神経の働き（体温調節と感覚の調整） が関わっています。
私たちの身体は、外気温に応じて
- 皮膚の血管を広げて熱を逃がす
- 逆に血管を収縮させて熱を守る
といった自動調整を行っています。
この調整を司っているのが 自律神経。
しかしストレスや過緊張、呼吸の浅さ、姿勢の乱れなどで交感神経が優位になると、
身体は常に「守るモード」になります。
このとき、
血管は収縮し、筋肉は固まり、感覚は鈍くなる。
まさに “冷えを感じながらも中は閉じている” 状態です。
💡温めても「中」が反応しないのはなぜ？
外から温めてもポカポカしないのは、
身体の防御センサー（神経）が解除されていない からです。
たとえば、冷え性の人は体を触ると
「皮膚は冷たいのに、奥が感じにくい」ことがよくあります。
これは、脳が「今は緊張を解かない方が安全」と判断しているサイン。
外からの熱刺激よりも、
“安心感”や“支えの感覚”が戻るほうが、
内側の血流や体温調整がスムーズになります。
🧠冷えは“感覚の防御反応”
冷えの根本には、「危険を回避するための感覚のズレ」があります。
- 足裏の接地感が弱い
- 呼吸が浅く、胸郭が硬い
- 骨盤の支えが抜けている
こうした状態では、身体は「安定していない」と感じ、
熱を逃がさないように内側を守る反応を起こします。
つまり、冷えは “守るための反応” でもあるのです。
温めても戻らないのは、体が「まだ不安定」と感じている証拠。
🌬整えるポイントは「温める前に、安心をつくる」
冷えを本当に改善するには、
単に外側を温めるよりも、内側の“安心”を取り戻すこと が大切です。
具体的には、
- 足裏で床を感じる（支えの感覚）
- 骨盤を立て、呼吸を背中まで届ける（呼吸の拡がり）
- 手足を軽く動かし、「温度を感じる感覚」を再教育する
これにより、自律神経が整い、血管の収縮がゆるみ、
“内から温まる身体”へと切り替わっていきます。
📚研究で示される「冷えと神経の関係」
2020年の研究（Kondo et al., Autonomic Neuroscience）では、
冷え性の人では交感神経活動が高く、
末梢血管の拡張反応が鈍いことが確認されています。
また、2022年の報告（Park et al., Frontiers in Physiology）では、
「温度刺激と安心感を同時に与えることで体温調節機能が改善する」ことが示されています。
つまり、“温める”よりも“安心して緩む”方が、
神経と血流が自然に整うのです。
🌿まとめ
温めても冷えが取れないのは、
血流ではなく “神経と感覚が防御モードにある” から。
身体は「温まる準備」ができていないだけで、
決して壊れているわけではありません。
まずは「支えを感じる」「呼吸を整える」「安心できる姿勢をつくる」。
そのうえで温めることで、
外側の熱が“内側に届く”身体へと変わっていきます。
整えるとは、“温めること”ではなく、
“安心して緩めること”。
その瞬間に、身体は本当の意味で温まり始めます。
そんな整った身体を目指したいあなた、是非松本市岡田の整体りびるどにご相談ください。
