Q.五十肩って、年齢のせい?【深堀りQ&A】
A.年齢そのものが原因ではなく、「組織の滑り」と「感覚のズレ」が主な要因です。
確かに40〜60代に多く見られますが、それは“年を取ったから”ではなく、
長年の使い方や姿勢、呼吸のクセによって肩関節まわりの組織が動かなくなって生じた結果です。
つまり、五十肩は「老化」ではなく「身体の適応の結果」と言えます。
🔍なぜ“年齢のせい”にされやすいの?
五十肩(肩関節周囲炎)は、中高年に多く起こるため「加齢だから仕方ない」と思われがちです。
ですが、加齢で全員がなるわけではありません。
同じ年齢でもスムーズに動かせる人もいれば、痛みで腕を上げられない人もいます。
違いを生むのは、**「肩の使われ方」や「感覚の鋭さ」**です。
肩関節は、上腕骨・肩甲骨・鎖骨・胸郭が複雑に連動して動く関節。
長時間のデスクワークや猫背姿勢、浅い呼吸が続くと、この連動が崩れ、
関節包(関節を包む膜)や滑液包、筋膜などの組織同士が“滑りにくい”状態になります。
その状態で動かそうとすると、摩擦や引っかかりが生じ、
身体はそれを防御するために「痛み」という信号を出します。
つまり、**五十肩は“身体がこれ以上壊れないようにブレーキをかけている状態”**なのです。
💡感覚と動きを整えることで変わる
痛みを和らげるためには、まず**「動かす怖さ」から抜け出すこと**が大切です。
痛みを避けて動かさない期間が長くなるほど、脳は「肩を動かす=危険」と学習してしまいます。
その結果、痛みが落ち着いても動きが戻らない“拘縮期”に移行してしまうことも。
2022年の研究(Cho et al., Clinical Rehabilitation)では、
肩関節周囲炎の患者に対して**軽度の運動+感覚刺激(皮膚や筋膜へのタッチ)**を行うことで、
可動域と痛みの改善が有意に進んだと報告されています。
つまり、ただ“ストレッチで伸ばす”よりも、
“感じながら動かす”方が神経系の抑制が解け、回復が早まるのです。
🧩日常でできるちょっとしたケア
・朝や入浴後など、体が温まったタイミングでゆっくりと腕を前後に振る
→ 関節包の滑走を促し、筋膜の張力バランスを整える。
・肩甲骨を寄せてストンと落とす
→ 胸郭が開き、呼吸が深くなって首・肩の過緊張を軽減。
・息を吐きながら腕を横に少し広げる
→ 呼吸と連動する動きで感覚のリセットを促す。
どの動きも「痛みのない範囲」で、動きながら“感じる”ことがポイントです。
🧠まとめ
五十肩は“年齢のせい”ではなく、身体が長年の使い方に適応した結果。
そしてその適応を変えるには、「無理に伸ばす」より「感覚を取り戻す」ことが大切です。
年齢ではなく、“感覚の柔らかさ”こそが回復力。
身体はいつからでも、動きを思い出せます。
セルフケアではどうにもならず、なんとかしたいと考えている方は、ぜひ松本市岡田の整体りびるどへご相談ください。



