家事・育児でパンパンになる“家事肩”に悩む方へ~抱っこ・料理・掃除で固まる肩の整え方~

家事や育児で肩こりに悩む30代女性が、子どもを抱っこしながら肩を押さえているイメージ写真

「一日中バタバタ動いているだけなのに、夜になると肩がパンパン」「抱っこやおんぶをくり返しているうちに、肩から首まで板のよう…」。

どうも。
整体りびるどのテラサワです。
松本市周辺でも、デスクワークではなく「家事・育児」が中心なのに、つらい肩こりを抱えている方からのご相談が少なくありません。

今回は、家事や育児の動作がきっかけで肩こりがつらくなる方に向けた内容です。いわゆる「家事 肩こり」「育児 肩こり」の背景には、姿勢や筋肉だけでなく、神経や感覚の問題も静かに関わっています。

この記事のポイントは次の3つです。

  • なぜ「家事・育児スタイル」特有の肩こり=“家事肩”が起こりやすいのか
  • 筋肉・関節・自律神経の視点から見た「家事肩」のメカニズム
  • 今日からできる家事の工夫とセルフケア、整体でお手伝いできること

1. ワンオペ家事・育児でパンパンになる「家事肩」というお悩み

「子どもを抱っこしながら買い物袋を持つ」「キッチンで前かがみのまま料理や洗い物を続ける」「洗濯物を高い位置に何度も干す」「車での送迎で、乗せ降ろしを何回もくり返す」。

こうした“生活動作”が積み重なって、気づけば肩こり・首こり・背中の張りが当たり前になってしまう方は少なくありません。特に、30〜50代でワンオペに近い家事・育児を担っている方に多い印象です。

整体りびるどにも、

  • 「肩こりと一緒に、腕のだるさや手のしびれっぽさも気になる」
  • 「首こりから頭痛が来て、夜にスマホを見る余裕もない」
  • 「産後からずっと、抱っこで肩がガチガチのまま」

といった声が、松本市周辺の方からよく届きます。

「仕事でパソコンを長時間」というよりも、家事・育児で一日中動いているのに、なぜか肩だけが重く、固まってしまう。それが、ここでいう“家事肩”です。

この先では、「年齢のせい」「運動不足だから」と片づけるのではなく、からだの中で実際に何が起きているかを整理していきます。


2. 「家事で肩こりになる」とき、肩まわりでは何が起きているのか

まず押さえておきたいのは、家事や育児は**立派な“肉体労働”**だということです。

研究でも、家事やキッチン作業を日常的に行う主婦では、首・肩・腰などの筋骨格系の痛みの有病率が高いことが報告されています。とくに肩や首の痛みは6割以上というデータもあり、家事だけでも十分にからだへ負担がかかることがわかっています。ResearchGate+1

世界全体を見ても、筋骨格系の不調は、生活の質を下げる大きな要因の一つとされており、WHOも「筋骨格系の疾患や症状は、世界的にみても障害の主要な原因である」と指摘しています。世界保健機関+1

家事・育児の現場を少し具体的に思い浮かべてみると、次のような特徴があります。

  • 同じ姿勢が長く続きやすい(キッチンでの前かがみ姿勢、床掃除など)
  • 腕を前に伸ばした状態で作業し続ける(洗い物、テーブル拭き、抱っこ)
  • 子どもや荷物を「片側だけ」で持ち続けるクセがつきやすい
  • 休憩を取らずに、一気に家事を終わらせようとしがち

こうした条件が重なると、肩まわりでは

  • 僧帽筋や肩甲挙筋などの「首から肩にかけての筋肉」が常に働きっぱなし
  • 肩甲骨が上外側に引き上げられ、下がりづらくなる
  • 結果として、肩の筋肉の血流が低下し、疲労物質がたまりやすくなる

という状態になり、“パンパンで重い”“鉄板のように固い”肩が出来上がってしまいます。

ここに、育児特有の「抱っこ・おんぶ・授乳」が加わると、負担はさらに増えます。研究では、4歳未満の子どもを育てる親の多くが、腰痛や首・肩の痛みを訴えており、抱き上げ動作や前かがみ姿勢がリスク要因として挙げられています。go.gale.com+1

つまり、“家事肩”は特別な病名ではありませんが、家事と育児という「日常の積み重ね」が背景にある肩こりだと言えます。


3. 筋肉・関節・自律神経から見る「家事肩」のメカニズム

ここからは、もう少しからだの中をのぞいてみましょう。
ポイントは「筋肉」「関節」「自律神経や血流」の3つです。

3-1. 筋肉:ずっと肩をすくめ続けている状態に

家事 肩こり・育児 肩こりで一番ガチガチになりやすいのは、首から肩にかけての筋肉(僧帽筋、肩甲挙筋など)です。

  • キッチンでシンクに体を預けるような前かがみ
  • 抱っこで子どもを片側の腰に乗せる姿勢
  • 掃除機や雑巾がけで、腕を前に伸ばしたまま動かす

こうした動きでは、「肩を少しすくめたまま固定する」状態が長く続きます。

筋肉は、縮んだまま動かない時間が長くなるほど、内部の血流が下がり、疲労しやすくなることがわかっています。首や肩の不自然な姿勢が続くほど、痛みやこりと強く関連するという報告もあります。J-STAGE+1

イメージとしては、「ずっと軽く腕立て伏せの姿勢をキープしている」ようなものです。力を入れている自覚はなくても、筋肉にとっては休ませてもらえない状態が続いているわけですね。

3-2. 関節:肩甲骨と胸椎(背中の骨)の動きが固まりやすい

家事・育児の動作では、

  • 背中を丸める
  • 肋骨をあまり広げずに浅い呼吸になる
  • 肩甲骨が外側・上側に固定される

といったことが起こりやすくなります。

この状態が続くと、本来は「滑らかにすべるように」動くはずの肩甲骨と肋骨・胸椎の関係が固まり、肩関節そのものの動きまで制限されてきます。

その結果、

  • 洗濯物を高く干そうとしたときに、肩が痛い・重い
  • 髪を結ぶ・洗う動作がつらくなる
  • バンザイ姿勢がしにくい

といった、“日常のちょっとした動き”の中で痛みや違和感が出てくることが増えます。

3-3. 自律神経と血流:休みなく動き続けるモードに

家事と育児を担っていると、ゆっくり座って休む時間を取るのが難しい場面が多いと思います。

  • 子どもが寝ているあいだに家事を一気に片づける
  • 仕事と家事・育児を両立しようと、常に時計とにらめっこ
  • 「自分のことは一番最後」で、食事や睡眠が後回し

こうした生活が続くと、からだは**交感神経優位(戦闘モード)**にかたよりやすくなります。交感神経が優位な状態では、筋肉への血流が細くなり、こり感や痛みを感じやすくなることが知られています。

また、痛みやこりが続くと、その情報自体がストレスとして脳に伝わり、さらに自律神経のバランスを乱す…という悪循環も起こりえます。

「寝る前にスマホでリラックスしているつもりが、実は首・肩への負担と自律神経への刺激になっていた」というパターンも、最近はとても多い印象です。


4. よくある生活パターンと、整体でどこをどう整えていくか

ここでは、家事 肩こり・育児 肩こりの代表的なパターンと、整体りびるどでの見立て方・整え方の一例をご紹介します。

4-1. 典型的な「家事肩」の一日

たとえば、こんな一日を思い浮かべてみてください。

  • 朝:子どもの支度をしながら、前かがみで洗面所・キッチンを行き来
  • 日中:洗濯物を何度も持ち上げて干す、掃除機・雑巾がけ
  • 夕方:買い物袋を持ち、子どもを抱っこして帰宅
  • 夜:料理・後片づけでキッチンに立ちっぱなし、そのままどっと疲れてソファへ

ふり返ると、「肩甲骨を大きく動かす時間」や「胸を開いて深く息を吸う時間」は、ほとんど登場しません。
一日を通して、前かがみ・腕を前に伸ばす・肩をすくめる姿勢が圧倒的に多いのが特徴です。

こうした生活が何年も続くと、筋肉のこりだけでなく、**可動域の制限(動かしにくさ)や、神経の過敏さ(ちょっとした刺激でも痛く感じる)**につながることもあります。

4-2. 整体りびるどで大切にしているチェックポイント

整体りびるどでは、“家事肩”のご相談があったとき、単に肩をもむのではなく、次のような流れでからだを見ていきます。

  1. 足元〜骨盤
    • 片脚に体重を乗せるクセがないか
    • 立位での安定感があるかどうか
  2. 胸椎・肋骨の動き
    • 前後・回旋の動きが固くなっていないか
    • 呼吸とともに肋骨が広がる感覚があるか
  3. 肩甲骨と肩関節
    • 上下・内外への滑りがスムーズか
    • 挙上時に首まわりの筋肉が過剰に頑張っていないか
  4. 首〜頭部のアライメント
    • 頭が前に出過ぎていないか
    • 首の動きに左右差がないか

このように、肩そのものだけでなく、「土台 → 背中 → 肩甲骨 → 首」のつながりを大切にしながら整えていきます。

介護者への運動プログラムが、首や腰の痛み・障害を減らすのに有効だったという報告もあり、からだ全体の使い方を見直すことは、家事・育児の負担軽減にも通じると考えています。PMC+1

4-3. 施術のイメージ

実際の施術では、

  • 肩甲骨まわりの筋肉や筋膜をやさしくゆるめる
  • 胸椎・肋骨の動きを引き出し、呼吸を深くしやすくする
  • 必要に応じて、抱っこ姿勢やキッチンでの立ち方をその場で一緒に確認する

といった形で進めていくことが多いです。

「ゴリゴリ強く押す」というよりも、からだが本来の位置・動きを思い出せるようにサポートするイメージに近いかもしれません。

Q&A:家事肩でよくいただくご質問

Q1. どのくらい続いたら、一度相談した方がいいですか?

A. 目安として、

  • 肩こり・首こりが3か月以上ほぼ毎日続いている
  • 夜間痛や、腕・手のしびれ、力の入りづらさを伴う
  • 市販薬やストレッチだけでは改善が乏しい

といった場合は、一度専門家に相談していただくことをおすすめしています。

しびれや強い痛み、発熱などを伴う場合は、まず整形外科などの医療機関で検査を受けると安心です。

Q2. 整体と病院、どう使い分ければよいでしょうか?

A.

  • 「骨や神経に大きな問題がないかを確認したい」
  • 「しびれ・脱力・強い痛みがある」

といった場合は、まず病院での診察・画像検査が優先です。

一方で、

  • レントゲンでは「異常なし」と言われた
  • 慢性的なこり感や重さをなんとかしたい
  • 家事・育児の体の使い方を見直したい

といったケースでは、整体や理学療法士などのからだの専門家が、お役に立てることが多いです。両方を上手に組み合わせるイメージで考えてもらえると良いと思います。

Q3. 家事 肩こりで整体に通う場合、頻度の目安はありますか?

A. 症状の強さにもよりますが、

  • 初めの1か月は「週1回〜2週に1回」程度
  • その後は様子を見ながら「月1〜2回」に間隔をあけていく

という流れが多いです。

セルフケアや家事動作の工夫を取り入れながら、**「少しずついい状態の時間を増やしていく」**ことを目標に、一緒に調整していきます。


5. 今日からできる小さな工夫と、がんばり過ぎない肩の守り方

最後に、家事 肩こり・育児 肩こりに悩む方へ、今日から試せる小さな工夫をいくつかご紹介します。全部やる必要はありません。「これならできそうかな」と感じたものを1〜2個だけ選ぶところからで大丈夫です。

行動のヒント具体的なイメージ
抱っこの高さを調整する低い位置から一気に抱き上げず、ソファやベッドの上に座らせてから抱っこする
キッチンで前かがみになりすぎない足を少しシンクに近づけ、みぞおち辺りを軽くシンクに近づけて“寄りかかるように”作業する
「肩甲骨ゆらし」を家事の合間に両肘を軽く曲げて、肩甲骨を後ろで寄せる→力を抜く、を10回ゆっくりくり返す
呼吸を忘れない家事の区切りごとに、鼻から4秒吸って、口から6秒吐く「ながら呼吸」を3セット

特別なストレッチができなくても、

  • 「同じ姿勢を30分以上続けない」
  • 「抱っこや荷物は、可能な範囲で左右交互に持つ」
  • 「寝る前の5分だけ、スマホを置いて深呼吸をする」

こうした小さな積み重ねでも、肩まわりの負担はすこしずつ変わっていきます。

それでも届きにくい部分や、「どうしても自分では抜けない緊張」があるときは、整体やリハビリ専門職に頼るのもひとつの方法です。

整体りびるどでは、家事や育児のリアルな状況をうかがいながら、からだの構造だけでなく、使い方や習慣もふくめて一緒に整えていくことを大切にしています。

「家事・育児だから仕方ない」とがまんしすぎず、気になるタイミングで早めにご相談くださいね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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