手のむくみと肩こりが同時に出る人へ~“握りっぱなし”が体を固める~

手のむくみを気にしながら肩を押さえるデスクワーク中の様子

松本市岡田の整体りびるど、テラサワです。
「指輪がきつい」「手がむくむ日ほど肩も重い」…この組み合わせ、地味にしんどいですよね。今日は“末端の循環”と“握りっぱなし”の関係をほどいて、必要以上に心配しなくていい点と、現実的な一歩を整理します。

1. 指先の渋滞が、肩の渋滞も呼ぶ

手のむくみを訴える方の話を聞くと、共通しているのが「手を休ませたつもりでも、ずっと握っている」という状態です。
スマホを持つ、マウスをつまむ、ハンドルを握る、買い物袋を持つ。強く握っている自覚がなくても、指や前腕は“薄く力が入り続ける”ことがあります。

ここで大事なのは、むくみが「水分の問題」だけでなく、「流れの問題」として起きやすい点です。手や前腕の筋肉がこわばると、血液やリンパの戻り道(静脈・リンパの還流)が邪魔されやすくなります。すると指先がパンッと張り、同時に肩や首まわりも“守りの緊張”を作りやすい。
体は、末端が落ち着かないと、上流(肩・首)も落ち着きにくい。そんな設計になっています。

ただし、ここで一つ安心材料も。手のむくみの多くは、使い方・姿勢・一時的な循環の偏りが絡んでいて、少し条件を変えるだけで波が小さくなるケースもあります。焦って「重い病気かも」と決めつけないで、状況を切り分けていきましょう。

2. 「むくみ=塩分や水分」だけで片づけない

世の中では、むくみというと「塩分」「水分」「冷え」が先に語られがちです。もちろんそれも一部は関係します。
でも、手のむくみと肩こりがセットで出る人は、もう少し“使い方のクセ”に寄った話になりやすい印象があります。

よくある見落としはこの3つです。

  • 手首を反らせたまま固定(マウス操作、スマホの角度、キーボード位置)
  • 指先だけ働いて、腕が支え役になっていない(手でぶら下がるように持つ)
  • 「抜けているつもり」で、握る力が残っている(無意識の持続収縮)

筋肉は、縮むときだけ頑張るのではなく、縮みっぱなしでも疲れます。そして“縮みっぱなし”は血の巡りを自分で細くしやすい。
実際、コンピュータ作業の入力デバイスによって、肩や前腕の筋活動(負担のかかり方)が変わることを筋電図で調べた研究もあり、手元の操作が上半身の筋緊張に影響しうることが示されています(出典:筋電図研究, 1997)。 PubMed

ざっくり要約:手のむくみと肩こりが同時に出るときは、「水分」より先に「握りっぱなし」や「手首・前腕の固定」を疑う価値があります。

3. “握りっぱなし”で何が起きているのか

ここから少し体の中の話をします。専門用語は最小限にして、生活語に置き換えます。

手は「戻す力」に支えられている

指先に行った血液や組織液は、静脈やリンパを通って心臓側に戻ります。戻るには、

  • 呼吸(胸郭の動き)
  • 肩甲帯や腕の揺れ
  • 前腕の筋肉が“動いたり緩んだり”すること
    が助けになります。

ところが、握りっぱなしで前腕が固いと、戻り道が細くなります。しかもデスクワークや運転は、腕を動かす機会が少ない。
結果として、末端に“滞りやすい条件”が揃います。

低めの力でも、続くと循環は落ちやすい

握力を全力で使っていなくても、軽い力での持続は血流を下げやすいことがあります。さらに、腕の位置(心臓より高いか低いか)でも前腕の血流は変化し、手を高い位置で使う条件では血流が低下しやすいことが報告されています(出典:Scientific Reports, 2025)。 Nature
この研究では、軽い握り(15%MVC)でも位置条件で前腕血流が変わり、血流量の数値差が示されています。つまり「大して力を入れてないのに、だるい・むくむ」は成立します。

肩こりが絡む理由は「固定の連鎖」

手や前腕が固定されると、肩甲骨や鎖骨の動きが減ります。肩が動かないと、首の筋肉が代わりに頑張ります。
さらに、手が不安定だと、脳は“落とさないように守れ”と命令を出すので、肩は下げられず、首は前に出やすい。
この「守る姿勢」は、循環にも呼吸にも不利です。だから、手のむくみと肩こりは別々の事件ではなく、同じ一本の映画の別シーンになりやすい。

しびれが混ざるなら、手首の通り道も視野に

もし「むくみ+指のしびれ(特に親指〜中指)」「夜間〜朝に悪化」があるなら、手首のトンネル(手根管)で神経が圧迫されるタイプも疑います。
近年の大規模データを含むメタ解析では、手根管症候群の有病率推定がまとめられており、研究間の幅は大きいものの“珍しい症状ではない”ことが示されています(出典:査読付きメタ解析, 2024)。 PubMed+1
ここは自己判断で決めつけず、「しびれ・痛み・夜間悪化」のセットが強ければ医療機関で評価が安心です。

加えて重要なのは、危険サインの切り分けです。原因が明確でない腫れ、急に強く腫れる、赤く熱い、強い痛みなどは、早めに医療相談が推奨されています(出典:NHS, Swollen arms and hands)。 NHS

4. 手の“力み癖”をほどくと、肩が先に軽くなることがある

ここは生活の中での落としどころです。やることは派手ではありません。けれど効きます。

クセの正体は「握る」より「離せない」

ポイントは筋トレではなく、“解除の練習”です。
握る動作は日常に多いのに、離す動作は意識されにくい。手はいつの間にか「ONのまま」になりやすいんですね。

おすすめは次の考え方です。

  • 手の仕事量を減らす(持つ・つまむ・固定するを減らす)
  • 前腕に“揺れ”を戻す(小刻みでもOK)
  • 肩甲骨が動ける余白を作る(腕がぶら下がれる位置へ)

すぐ試せる“握りっぱなし”対策(道具より先に)

下の表は、現場でよく出る行動を「力の抜きどころ」に変換したものです。

握りっぱなしが起きる場面体の感じ方のヒント現実的な工夫
スマホを持つ親指の付け根が熱い/前腕が張る指で支えず、手のひら全体で“乗せる”
マウス操作手首が反って固い肘を体に近づけ、手首を中間位に戻す
運転肩が上がるハンドルを“握る”より“添える”時間を増やす
買い物袋指がちぎれそう肘で抱える/肩にかけるなど分散する
家事(包丁・雑巾)手のひらがこわばる30秒だけ“手をぶらぶら”を挟む

※コツは「完璧に直す」ではなく、1日の総量を1割減らすイメージです。積み上がると、むくみの波が変わります。

セルフケアで届く範囲/専門家が得意な範囲

セルフで変えやすいのは、

  • 持ち方、肘の位置、机まわり
  • こまめな解除(手をぶらぶら、軽く開く)
  • 呼吸が入る姿勢(胸がつぶれない)
    です。

一方、慢性的に続く人は「自分では解除できない固定」が残っていることがあります。前腕だけでなく、肋骨や鎖骨、肩甲骨の動きが止まっていると、末端の流れも戻りにくい。
整体に行くかどうか迷っている方は、まず「どこが固定の起点か」を一緒に確認してもらう、という使い方が合うこともあります。

Q&A

Q1. 手がむくむ日は、温めた方がいいですか?

状況次第です。冷えが強く、手が白っぽくなってこわばるタイプは温めが助けになることがあります。一方で、赤く熱を持つ・ズキズキ痛い・急に腫れたなどがある場合は温めで悪化することもあるので注意が必要です。判断に迷う腫れ方なら、医療相談のほうが安全です(出典:NHS, Swollen arms and hands)。 NHS

Q2. 手のむくみと肩こり、ストレッチだけで良くなりますか?

ストレッチが“入口”になることはあります。ただ、握りっぱなしが続く生活だと、伸ばしてもすぐ戻りやすいです。効かせるコツは、ストレッチより前に「握る総量を減らす」「手首を中間位に戻す」「解除の小休止を入れる」を組み合わせること。体は“やめた分”だけ変わりやすいです。

Q3. 整体と病院、どちらに行けば迷うときは?

目安があります。急な腫れ、強い痛み、赤く熱い、原因が思い当たらない腫れは先に医療機関(または相談窓口)での確認が安心です(出典:NHS, Swollen arms and hands)。 NHS
一方で、じわじわ続くむくみ感と肩こりがセットで、仕事やスマホの使用と連動するなら、姿勢や使い方の固定をほどくアプローチが役立つことがあります。

5. 今日からの一歩は「握る」を減らすより「離す」を増やす

手のむくみと肩こりが一緒に出るとき、体は「末端が落ち着かないよ」とサインを出していることが多いです。
大げさな対策より、戻り道を作る小さな変更が効きます。

  • 解除の小休止:30秒、手をぶらぶら。これを1日に数回
  • 手首の中間位:反らせた固定を減らす(机・肘位置の調整)
  • 肩甲骨が動く余白:肘を体に近づけ、肩が上がりっぱなしを避ける

もし「むくみが急に強い」「赤い・熱い」「しびれが増えていく」などがあるときは、早めに専門的な評価を受けるのも一つの方法です。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。

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