自律神経タイプ別・肩こり~交感神経優位・低血糖気味・睡眠不足で起きる違い~
松本市岡田の整体りびるど、テラサワです。
肩こりが続くと「姿勢が悪いから?」と考えがちですが、実は“自律神経のクセ”で固まり方が変わることがあります。タイプを分けて整理すると、今の状況が見えやすくなります。
目次
1. 同じ「肩こり」でも、固まる理由が違うことがある
現場では、肩こりの訴えが同じでも、体の反応がまったく別物に見える方がいます。
例えば、触るとガチガチに硬いのに「痛いというより落ち着かない」。逆に、硬さはそこまででも「夜から朝にかけて一気に重だるくなる」。こういう差です。
肩こりは、筋肉そのものの問題だけでなく、体が緊張モードに入りやすいか、回復モードに切り替わりにくいかでも表情が変わります。
その切り替え役が、自律神経です。
ここでは代表的に、次の3タイプで整理します。
- 交感神経優位型(常に戦闘態勢っぽい)
- 低血糖気味型(食事間隔が空くほど肩が上がる)
- 睡眠不足型(回復が追いつかず、朝に残る)
「私はどれだろう」と当てはめながら読むと、肩こりの捉え方が一段クリアになります。
2. 「姿勢が悪いから肩こり」は半分だけ正しい
肩こりの話は、どうしても「猫背」「巻き肩」「スマホ首」になりやすいです。もちろん姿勢や作業姿勢は関係します。
ただ、同じ姿勢でも肩がこらない人がいるのも事実です。
違いを作るのは、ざっくり言うと“体が緊張を必要としているかどうか”。
緊張が必要になると、首と肩は守りの要になります。視線を安定させる、呼吸を浅くして動きを止める、周囲にすぐ反応できるようにする。そういう防御が働くと、僧帽筋や肩甲骨まわりが「上げて固定」に寄りやすい。
ここで大事なのは、必要以上に心配しなくていい点もあることです。
肩こりの多くは、危険な病気のサインというより「体ががんばり方を変えられなくなっている」状態に近い。整理して対策すると、ちゃんと戻り道があります。
ざっくり要約:肩こりは姿勢“だけ”で決まらず、緊張モード(自律神経の偏り)で固定されると長引きやすい。だからタイプ分けが役に立ちます。
3. タイプ別に見ると「肩が上がる仕組み」が見えてくる
まずは見分けの目安を、軽く地図にします。
| タイプ | 体のサイン(出やすい) | 肩こりの出方 | ありがちな場面 |
|---|---|---|---|
| 交感神経優位型 | 呼吸が浅い、歯を食いしばる、手足が冷えやすい | “常時こわばる”、抜けない | 忙しい時期、気が張る会議、運転 |
| 低血糖気味型 | 空腹でイライラ、動悸、手の震えっぽさ | 食事を抜くほど肩が上がる | 昼を遅らせる、甘い物でつなぐ |
| 睡眠不足型 | 朝から重い、目の奥が疲れる | 夜に増え、朝に残る | 夜更かし、途中覚醒、寝不足続き |
ここからは、仕組みをもう一段だけ具体化します。
交感神経優位型:ストレスで“肩の待機電力”が上がる
交感神経が優位だと、体は「いつでも動けるように」準備します。結果として、首肩の筋が薄く緊張し続ける。
研究でも、心理的ストレスと首肩周辺の慢性的な痛みの関連は繰り返し報告されており、系統的レビューとメタ解析では、心理的ストレスが強いほど慢性的な首肩の痛みと関連する(統合OR 2.33)とされています。 PubMed
また、僧帽筋の筋電図(EMG)が精神的負荷や情動と結びつく可能性が示されており、肩が“ストレスのメーター”になりやすいのも納得しやすいところです。 PMC+1
このタイプは、フォーム(姿勢)を直すより先に、緊張を抜くスイッチを作った方が早いことが多いです。肩が上がるのは意思の弱さではなく、体の設定です。
低血糖気味型:空腹が“交感神経スイッチ”を入れてしまう
低血糖(あるいは低血糖に近い状態)では、体は血糖を上げるために交感神経系が働き、動悸・手の震え・発汗・不安感などの“アドレナリン系”の症状が出やすいと説明されています。 PMC+1
この「不安定さ」が出た瞬間、体は無意識に防御姿勢を取りやすい。肩を上げて胸を固め、呼吸を浅くして動きを小さくする。結果として、首肩が一気に張る。
「午後になるほど肩が上がる」「昼を抜いた日は首が詰まる」という人は、このタイプの要素が混ざっていることがあります。
ここでの現実的な落としどころは、食事の内容を完璧にするより、食事間隔を荒らしすぎないことです。特に、忙しい人ほど“気合いでスキップ”が起きやすいので、肩こり対策としての価値は高いです。
睡眠不足型:回復が足りず、痛みの閾値が下がる
睡眠が足りないと、筋肉の疲労が抜けにくいだけでなく、痛みや不快感を感じやすくなる方向に傾きます。
縦断研究では、16歳時点で睡眠の質・量が不十分だった群が、のちの頸部痛を訴えやすい(女子でOR 4.4など)といった関連も報告されています。 PMC
大人でも「寝不足が続くほど首肩が取れない」という感覚は、かなり説明がつきます。
このタイプは、ストレッチを増やすより、“寝る前の入力”を減らす方が効くことが多い。スマホ、仕事の続きを考える時間、強い光、遅いカフェイン。肩に届く前に、神経に届いています。
4. 自分で届く範囲と、専門家が得意な範囲を分けて考える
タイプがわかったら、次は「何を自分でやるか」を絞ります。全部やると続きません。効くところだけ狙うのがコツです。
交感神経優位型の人へ:肩そのものより“抜け道”を作る
- 仕事中に肩を回すより、1分だけ呼吸を深くする時間を先に入れる
- 歯の食いしばりがある人は、舌を上あごに軽く置くだけでも首の緊張が変わることがある
- 「気が張る予定」の前に、肩を下げる練習をしておく(予防が効きます)
ポイントは、肩を“下げよう”としすぎないこと。下げる努力が、逆に緊張の追加になる人がいます。
低血糖気味型の人へ:食事を整えるより「空腹の谷」を浅くする
- 朝を抜かない(量より、リズム)
- 昼が遅れる日は、**小さな補給(ヨーグルト・ナッツなど)**を先に入れて谷を浅くする
- 甘い物だけでつなぐと波が大きくなりやすいので、できれば単独にしない
これは栄養指導というより、肩こりの“発火スイッチ”を押さえる作戦です。
睡眠不足型の人へ:ストレッチより「寝る準備の設計」
- 寝る90分前から、画面の光と情報量を減らす
- “寝る直前に考えること”をメモに逃がして、頭の居場所を作る
- 週末の寝だめはズレやすいので、まずは平日の就寝時刻を15分だけ整える
睡眠は一発で正解にしようとしない方がうまくいきます。肩も同じで、戻る方向を作るのが先です。
専門家が得意な領域:戻り方を「体に思い出させる」
セルフケアは大事ですが、うまくいかない時は理由があります。
緊張が強すぎて体が切り替えられない、肩甲骨や胸郭の動きが固まりすぎている、触覚や深部感覚のズレで「抜けた感覚」が作れない。こういう場合は、手で入力を変えながら“戻り方”を一緒に作った方が早いことがあります。
整体に行くかどうか迷っている方は、「痛みを消す場所」ではなく「戻れるきっかけを作る場所」と捉えると判断しやすいと思います。
Q1. 交感神経優位型は、運動した方がいいですか?
交感神経が高い人ほど、激しい運動でさらに上がることがあります。まずは散歩や軽い筋トレなど“上がりすぎない範囲”からが無難です。運動後に肩が下がるなら適量、上がるなら量かタイミングを調整してください。
Q2. 低血糖気味かどうか、自己判断して大丈夫ですか?
ここで言う「低血糖気味」は、医学的診断というより“空腹で交感神経反応が出やすい状態”の話です。糖尿病治療中の方や、強い症状(冷汗・意識が遠のく等)がある場合は医療機関での確認が優先です。 PMC+1
Q3. 整体と病院、どちらに行けば迷うときは?
発熱、手のしびれが急に強くなる、腕の力が入らない、夜間痛が激烈で眠れない、胸痛や息切れが強いなどがあれば病院が優先です。そういった赤旗がなく、「緊張が抜けない」「生活リズムと連動して出る」肩こりが続く場合は、整体などのケアで改善の糸口が見つかることもあります。
5. 今日からの一歩は「タイプ別に1つ」でいい
肩こり対策は、たくさんやるほど続きません。タイプ別に、今日やることを1つに絞るのが現実的です。
- 交感神経優位型:昼に1回、1分の深呼吸(肩を下げる努力はしない)
- 低血糖気味型:食事を抜きそうな日に“谷を浅くする補給”を準備する
- 睡眠不足型:寝る前90分だけ、光と情報を減らす(完璧は狙わない)
そして、肩こりが長引くほど「自分のせい」にしやすいのですが、体は状況に適応しているだけのことも多いです。設定を戻せば、ちゃんと変わります。焦らず、できるところからで大丈夫です。
つらさが続くときは、専門家に相談するのも一つの方法です。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。







