肩こりの原因が『みぞおち』かも?肋骨と胸郭の硬さチェック
松本市岡田の整体りびるど、テラサワです。
肩こりがつらいのに首や肩を揉んでも戻る。そんなとき、原因が「みぞおち周りの硬さ(胸郭)」にあるケースがあります。今日は“胸のかたさ”を見分けるチェックと、整え方の現実的な落としどころをまとめます。
目次
1. 肩より先に「みぞおち」が固まっている人、意外と多いです
肩こりで来院される方の中に、肩そのものより「胸が動いていない」タイプが一定数います。特徴はシンプルで、深呼吸をしても胸が広がらない/背中が固い/肩を上げないと腕が上がりにくい。
こういう方は、肩の筋肉を一生懸命ほぐしても、しばらくすると同じところが重くなりやすい傾向があります。
理由は、肩が“がんばり役”になっているからです。胸郭が固いと、呼吸も体幹の回旋も小さくなり、日常動作(振り向く・手を伸ばす・荷物を持つ)を肩まわりだけで代償しがち。結果として、首から肩にかけての筋が過労になります。
「肩が悪い」というより、肩が代役を続けて疲れている。そんな見立てです。
2. 「肩こり=肩の筋肉」だけで決めつけなくていい理由
世の中では、肩こりは「僧帽筋が固いから」「血流が悪いから」と語られがちです。もちろんそれも一部は当たります。ですが、臨床ではもう少し立体的に見たほうが説明がつくことが多いです。
ポイントは2つあります。
(1) 肩は胸郭にぶら下がっている
肩甲骨は肋骨の上を滑るように動きます。胸郭の丸みが保てない、肋骨の動きが小さい、胸椎が固い。こうなると、肩甲骨の“土台”が安定しません。すると首や肩の筋で固定するしかなくなります。
(2) 痛みやこりは「動きの偏り」の結果になりやすい
胸郭が動かない人ほど、デスクワークなどの同じ姿勢で首肩に負担が集中しやすい。実際、作業姿勢などが関与する首・肩の不調は非常に一般的で、ある調査では首肩の痛みの訴えが約48%と報告されています(職業集団・条件は研究ごとに差がありますが、“多い”こと自体は確かです)。 PMC
ここで大事なのは、「胸郭が硬い=危険」ではないこと。
ただ、肩こりが続いているなら、肩だけを原因にしないほうが、やることが整理されてラクになります。
最後に、ざっくり要約です。
- 肩こりは“肩だけの問題”とは限らない
- 胸郭(肋骨+胸椎)が固いと、肩が代償して疲れやすい
- だからチェックする価値がある
3. 胸郭が硬いと、肩がこる体の中では何が起きている?
ここは少しだけ体の仕組みの話をします。専門語は最小限にします。
3-1. 「肋骨の動き」が小さいと、首肩が固定係になります
肋骨は呼吸のたびに、前後・左右に微妙に動きます。ところがストレス、猫背、長時間座位、運動不足などが重なると、この動きが小さくなります。
すると体は、呼吸を成立させるために別の場所を使います。典型例が、首の前(斜角筋)や肩上(僧帽筋上部)で息を吸うパターン。これが続くと、首肩は“呼吸補助筋”として働き続けてしまい、重だるさが残りやすくなります。
加齢との関係も示唆されていて、肋骨の動きや胸郭の可動性が下がると肩の不調につながりうる、という整理もあります。 openorthopaedicsjournal.com
もちろん個人差は大きいですが、「胸が固い人ほど肩がつらい」という現場感は、こういう背景と噛み合います。
3-2. 胸椎が固いと、腕を上げるときに“肩だけ”で上げる
腕を上げる動作は、肩関節だけでは完成しません。胸椎の伸展(背中を軽く起こす動き)や回旋(ひねり)、肩甲骨の上方回旋がセットで起きて、はじめてスムーズになります。
胸椎が固いと、腕を上げるたびに肩の前側や首が先に頑張る。これが積み重なると、肩こりだけでなく、肩前面の詰まり感にもつながります。
ただし誤解も一つ。
「胸椎の丸まり(胸椎後弯)が強いと必ず肩が痛くなる」とは言い切れません。胸椎姿勢と肩痛の関係は一枚岩ではなく、系統的レビューでも“単純な因果”としては慎重な見方がされています。 Schoudernetwerk West Brabant+1
つまり、姿勢の形だけで決めないのがコツです。見るべきは“動きの余白”です。
3-3. 今日できる「胸郭の硬さチェック」3つ
ここからは、痛みを増やさない範囲でのチェックです。鏡があると分かりやすいです。
チェック①:みぞおち周り、触ると硬い?
みぞおち(肋骨の下縁あたり)に指を当て、鼻から息を吸います。
- 指が押し返される感じがある → 動きが出ている可能性
- ほぼ動かない/カチカチ → 胸郭の動きが小さいかも
チェック②:肋骨は「横に」広がる?
両手を肋骨の左右(体の横)に当て、息を吸います。
- 肋骨が左右に広がる → OK
- 肩だけ上がる/首が苦しい → 首肩優位になっているかも
チェック③:胸椎の伸び、左右差は?(椅子でOK)
椅子に浅く座って背筋を軽く伸ばし、胸を少し起こします。次に、体を左右に軽くひねります。
- ひねりが左右で同じくらい → まず良好
- 片側だけ詰まる/肩が先に固まる → 胸郭の偏りがあるかも
「当てはまる=悪い」ではありません。
当てはまるのに肩こりが続くとき、対策の優先順位が見えてきます。
(エビデンスの補足)胸椎アプローチが首肩の症状に影響しうることは、胸椎の徒手介入が機械的頸部痛の痛みや機能(NDI)に一定の改善を示した、というメタ解析でも整理されています(NDIの平均差が約-6.46など)。 PMC
“胸を動かす”ことが、首肩の負担配分を変えうる。そう考えると自然です。
4. 日常のクセを変えるなら「肩をほぐす前の準備」が効率的
セルフケアの大前提は、肩に直接届かないところを整えて、肩の仕事量を減らすことです。ここでの目的は「1回で治す」ではなく、「戻りにくい方向に寄せる」こと。
4-1. 生活の中で胸郭を固めやすい場面
- PC作業で肘が前に出る(胸がつぶれて、呼吸が浅くなる)
- 車の運転でみぞおちが固定される(体幹回旋が減る)
- 寒い日、無意識に肩をすくめる(首肩が防御姿勢になる)
- 寝る前のスマホで猫背(胸椎が固まりやすい)
「胸を動かす」は、ストレッチの時間だけの話ではありません。座り方・腕の置き方で、胸郭は一日中変わります。
4-2. 肩こり向け“胸郭スイッチ”の現実的なやり方
やることはシンプルに3つ。やりすぎないのがコツです。
| ねらい | 体の感じ方の目安 | 続けやすくする工夫 |
|---|---|---|
| 肋骨の横広がり | 息が横に入る/首が楽 | 1日2回、歯磨き中に3呼吸だけ |
| 胸椎の伸び | 背中が少し軽い | タオルを丸めて背中に当て30秒 |
| 肩の力み解除 | 肩が下がる | 肩を揉む前に「息→肩」順にする |
“やり方”より“順番”が大事です。
息が浅いまま肩を揉むと、すぐ肩が戻ります。呼吸を整えてから肩へ。これだけで効率が変わります。
4-3. セルフケアで届く範囲、専門家が得意な範囲
セルフケアで変えられるのは、主に
- 呼吸の使い方
- 日常姿勢のクセ
- 胸郭の“軽い”可動性
一方で、
- 片側だけ肋骨が動かない感覚が強い
- 咳や深呼吸で肋骨が痛い
- 夜間痛、しびれ、脱力がある
- 何をしても悪化していく
こういう場合は、評価が必要です。
整体りびるどでは、肩そのものだけでなく、胸郭と肩甲骨の連動、呼吸で首肩が頑張っていないか、そこまで含めて負担の配分を見直します。迷っている方ほど、いきなり“通う前提”で考えなくて大丈夫です。まずは状態把握のために相談する、という選択もあります。
Q1. みぞおちが硬いと、肩こりは本当に起きますか?
起きやすくなります。胸郭(肋骨+胸椎)が動かないと、呼吸や上半身の動きの代償が首肩に集中しやすいからです。肩こりの原因は複数ですが、「肩を揉んでも戻る」タイプでは、胸郭の硬さが関与していることがよくあります。 openorthopaedicsjournal.com
Q2. 胸郭ストレッチをすると、逆に肩が痛くなることがあります
あります。勢いよく反らす、痛い方向に強くひねる、呼吸を止める。これが重なると、かえって緊張が増えます。目安は「終わったあとに呼吸がしやすいか」。しやすいなら概ねOKです。痛みが増えるなら、強度か方向が合っていない可能性があります。
Q3. 整体と病院、どちらに行けば迷うときはどうしたらいいですか?
迷うときは、まず病院(整形外科など)で赤旗(骨折・感染・神経障害など)を除外するのが安全です。特に、しびれ・筋力低下・夜間痛の増悪・発熱・外傷後は優先度が上がります。そういった問題が否定的で、「動かすとつらい」「同じ姿勢で悪化する」タイプなら、整体やリハビリで胸郭や肩甲骨の連動を整えるアプローチが相性のよいことがあります。 PMC
5. まとめ:肩を変える近道は「胸が動く余白」を取り戻すこと
今日の要点は3つです。
- 肩こりが続く人ほど、胸郭(みぞおち周り)が固まっていることがある
- 姿勢の“形”より、肋骨と胸椎の“動きの余白”を見ると整理しやすい Schoudernetwerk West Brabant+1
- 対策は「肩をほぐす前に、呼吸と胸郭を先に整える」が効率的
もしセルフチェックで当てはまって、日常でも肩こりが繰り返すなら、やり方を増やすより“順番”を変えてみてください。小さくても、体はちゃんと反応します。応援しています。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。







