噛みしめで首肩がガチガチに?顎とこめかみから整えるヒント
松本市岡田の整体りびるど、テラサワです。
口を閉じているだけのつもりなのに、気づくと歯が触れている。そんな日が続くと、首や肩が“固まったまま”になりやすいですよね。今回の記事では顎関節とこめかみ周りの筋肉を手がかりに、首肩がラクになる道筋を整理します。
目次
1. 「首だけ揉んでも戻る」人に多い共通点
最近増えているのが、「首肩こりのケアはしているのに、すぐ元に戻る」という相談です。ここで一度、首そのものよりも“首を固めるスイッチ”に目を向けると整理が進みます。
そのスイッチの代表が、噛みしめグセです。
噛みしめは、本人に自覚がないことが珍しくありません。仕事中の集中、運転中、スマホを見るとき、家事で踏ん張るとき。小さく歯が触れるだけでも、積み重なると顎まわりの筋肉が休めなくなります。
顎の筋肉が休めない状態が続くと、首肩は「支える役」を増やしやすくなります。首は“頭を乗せる柱”なので、上にある顎や顔面の緊張が続くほど、土台の首が守りに入る。結果として、肩が上がり、呼吸が浅くなり、夕方にどっと重だるさが出る。こういう流れです。
大事なのは、噛みしめがあっても「すぐ危険」という話ではないこと。多くは、クセとして定着しているだけです。クセは見つけられれば、変えていけます。
2. 噛みしめは“顎の問題だけ”と思われがち
世の中では、噛みしめというと「歯が減る」「顎関節症」「マウスピース」という連想が先に立ちます。もちろんそれも重要です。ただ、首肩こりの文脈では、もう少し現実的な見方が役に立ちます。
噛みしめは、ストレスだけで起こるわけではありません。
集中の姿勢、目の使い方、睡眠の質、寒さで体が縮こまること。こうした“状況”が重なって、顎が働きすぎる日が続くことがあります。
また「顎が鳴る=全部アウト」でもありません。顎関節のクリック音は珍しくない一方、痛みや開閉口制限がなければ経過観察になるケースもあります。必要以上に心配しないでください。
一方で、見落とされがちなのは「歯が触れている時間」です。
本来、安静時は上下の歯は軽く離れているのが自然です。歯が触れている時間が長いほど、咬筋や側頭筋は“休憩なし”になりやすい。ここを整えると、首肩が変わる人がいます。
ざっくり要約
噛みしめは「顎だけの問題」と決めつけず、生活の場面で起きる“緊張の癖”として捉えると、首肩の出口が見えやすくなります。
3. 顎関節・側頭筋・咬筋が首肩を固める道筋
噛みしめで中心になる筋肉は、咬筋(ほほ)と側頭筋(こめかみ)です。どちらも強い筋肉で、働き続けると頭部周辺の緊張が抜けにくくなります。
顎まわりが疲れると「首が守りに入る」
顎関節症(TMD)は、顎関節そのものだけでなく、咀嚼筋(噛む筋肉)を含む周囲組織の問題として整理されます。痛みが頭や首の領域に広がって感じられることもあり得ます。AAFP
つまり「顎が主役なのに、首肩が主訴」という形が起こりえます。
さらに、TMDでは関連痛(押すと別の場所が痛む、広がって感じる)が目立つという報告もあります。TMDに関連した痛みの中で、関連痛が一定割合で見られた研究もあります。PMC
首肩のこり感が“首だけの問題”に見えない理由が、ここにあります。
首肩との“行き来”が起こりやすい
最近は「顎(TMD)と首肩痛の間に相互の関連がある可能性」を示す研究も出ています。因果を断定しすぎるのは避けたい一方で、「顎と首肩は別々に考えない方が整理しやすい」という示唆にはなります。口腔顔面痛と頭痛のジャーナル
数字で見る“よくあるクセ”
噛みしめには、睡眠中の歯ぎしりだけでなく、起きている時の噛みしめ(awake bruxism)も含まれます。成人の起きている時の噛みしめは、系統的レビューで一定の有病率が示されています(例:15%前後という推定)。PMC+1
「自分だけがおかしいのでは」と感じている人ほど、ここで肩の力が抜けます。珍しいことではありません。
体の中の“状態”をイメージすると
噛みしめが続くと、顔面から首にかけて「前側が縮む」感じが出やすいです。すると、後ろ側(首の付け根や肩甲骨周囲)が引っ張られ、肩が上がった姿勢が保たれやすくなります。
首肩こりを“首の問題”として閉じず、顔面から胸郭までを一枚で捉えると、変わるポイントが増えます。
4. 生活の中の噛みしめスイッチを外す
噛みしめは、気合や根性で止めるより、「起きやすい場面に仕掛けを置く」方が成功します。ここでは、セルフケアで届く範囲と、専門家が得意な範囲を分けて整理します。
自分で整えやすいのは「安静位」と「回復環境」
顎のセルフケアとして、英国の医療情報でも“力を抜く”“リラックス”などの自己管理が推奨されています。nhs.uk
特に、顎の安静位はシンプルで効果が出やすいです。
- 唇は軽く閉じる
- 上下の歯は触れさせない(1〜2mm離すイメージ)
- 舌先は上あごの前方に軽く置く(力は入れない)
これを「気づいた時だけ」入れるのがコツです。1日中完璧にやる必要はありません。
“続けやすくする工夫”が勝ち筋
噛みしめは無意識なので、思い出せる仕組みが必要です。おすすめはこの2つです。
| 場面 | 合図(思い出すトリガー) | 体の感じ方の目標 |
|---|---|---|
| PC・スマホを見る | 画面を見るたび「歯、離れてる?」 | こめかみがゆるむ |
| 車の運転・家事 | 信号待ち/立ち止まりで深呼吸1回 | 肩が少し落ちる |
専門家が得意なのは「噛みしめ以外の増幅因子の整理」
歯科領域では、必要に応じてマウスピース(スプリント)が選択肢になります。NHSの患者向け資料でも、噛みしめに対してスプリントが使われることがあります。ouh.nhs.uk
一方、首肩こりの文脈では「首や胸郭の動き」「姿勢の癖」「呼吸の浅さ」など、増幅因子を同時に見直すと変化が出やすいです。
整体りびるどでも、顎まわりだけを単独で扱うというより、首肩のこわばりが“戻りにくくなる条件”を一緒にほどいていく視点を大切にしています(噛みしめの自覚が薄い方ほど有効です)。
Q&A
Q1. 噛みしめをやめようとすると、逆に顎が疲れます。どうしたらいい?
「やめる」より「歯を離す時間を少し増やす」が現実的です。顎は“力を抜く練習”が必要な部位です。1回10秒で十分なので、思い出した時だけ入れてください。
Q2. こめかみが張って頭痛っぽいです。噛みしめと関係ありますか?
関係することがあります。側頭筋は噛む筋肉の一部で、噛みしめが続くとこめかみ周辺の重さとして出やすいです。頻度が多い、吐き気や視覚症状がある、急に悪化した場合は医療機関での確認も検討してください。
Q3. 整体と病院(歯科や整形)、どちらに行けばいいか迷います
目安は「顎の痛み・口が開かない・噛むと激痛・歯の破損や強い摩耗がある」なら歯科(必要なら口腔外科)優先です。首肩のこり感が主で、生活の癖や姿勢の影響が大きそうな場合は、整体や理学療法などで“増幅因子”を整理するのが合うことがあります。迷う場合は、両方の視点を組み合わせるのも現実的です。
5. 今日からできる「首肩が戻りにくい」一歩
噛みしめ由来の首肩こりは、首を頑張って緩めるより、顎の働きすぎを減らす方が変化が速いことがあります。できそうなものを選んでください。
- 歯を離す合図を1つ決める:スマホを持ったら、信号待ちになったら。合図があると続きます。
- 夜の回復を少しだけ上げる:寝る前の温め(顎や首すじを蒸しタオルで10分)が合う人もいます。NHSでも温冷ケアやリラックスが勧められています。nhs.uk
- 「噛んでるかも」を責めない:無意識の癖は“発見できた回数=前進”です。気づけるほど、変わります。
要点は3つです。
- 首肩こりの裏に噛みしめが隠れていることがある
- 顎と首肩は別々にせず、行き来として捉えると整理しやすい 口腔顔面痛と頭痛のジャーナル
- コツは「やめる」より「思い出せる仕組み」
つらさが続くときは、専門家に相談するのも一つの方法です。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたのより良い生活のための一助になりますように。







