Q.外反母趾は手術しないと治らない?【深堀りQ&A】
Q.外反母趾って、もう手術するしか治らないんでしょうか?
最近は歩くだけでも親指の付け根が痛くて…。
整体やインソールでどうにかなるものなんですか?
A.手術が必要なケースもありますが、
すべての外反母趾が「切らなければ治らない」わけではありません。
むしろ多くの場合、“使い方”と“支え方”を変えることで痛みや変形の進行を防げるんです。
目次
🔍「外反母趾=親指の変形」ではなく「足全体の崩れ」
外反母趾は、単に親指が内側に曲がる病気ではありません。
足のアーチ(土踏まず)が落ち込み、体重のかかる位置がズレることで、
親指の付け根(第1中足骨)に過度なねじれや圧がかかる状態です。
つまり、問題の出発点は親指ではなく“足全体の構造バランス”。
足のアーチを支える筋肉や靭帯の機能が低下すると、
本来なら拇趾と小趾で作る「支えのライン」が崩れ、
結果的に親指が押し出されるように変形していきます。
🦶「歩き方」と「支え方」が原因の8割
外反母趾の発症や悪化には、
遺伝よりも歩き方や姿勢のクセが深く関係しています。
代表的な例を挙げると──
- つま先重心で歩く
- 膝が内に入る(ニーイン)
- 骨盤が後ろに倒れている
- 母趾の付け根で地面を押し切れていない
これらのパターンでは、
足裏の荷重が親指側に偏り、常に関節へストレスがかかります。
時間をかけて“機能の偏り”が積み重なり、形の変化として現れてくるんです。
💡痛みが強くないうちに「機能を整える」ことが鍵
手術が必要になるのは、
変形が高度で関節が脱臼しかけている場合や、
安静時でも痛みが続く重度例。
しかし、初期~中等度の多くは、
「使い方」と「感覚」を整える保存的アプローチで改善が可能です。
特に重要なのはこの3つ👇
① 足のアーチを再教育する
母趾球・小趾球・かかとの3点で立つ意識をつくる。
足裏の“支えの感覚”を取り戻すだけで、
母趾への負担は大幅に軽減します。
② 歩行時の重心移動を修正する
“かかと→小趾側→母趾球”という正しいローリング動作を取り戻す。
これが崩れると、外反母趾だけでなく膝痛や腰痛にもつながります。
③ 指を「動かす感覚」を育てる
足趾をグーパーするだけでなく、
「母趾を反らせる」「指先で床を軽く押す」など、
細かな動きを再学習することで神経と筋の連携が戻ります。
📚医学的にも示されている“使い方”の重要性
2021年の報告(Yokozawa et al., Foot & Ankle Surgery)では、
外反母趾患者に対し、足部アーチ筋の再教育と歩行指導を行った結果、
痛みの軽減と変形進行の抑制が認められたと報告されています。
また、近年の神経生理学では、
「足底感覚の精度」が姿勢制御と関節安定性に直結することも明らかになっています(Kavounoudias et al., Neuroscience Letters, 2018)。
つまり、“足の感覚を取り戻すこと”が外反母趾の改善に欠かせないのです。
🧠まとめ
外反母趾は“親指だけ”の問題ではなく、
足の支え方・使い方・感覚の問題が積み重なった結果です。
手術で形を整えることも一つの手段ですが、
“使い方”が変わらなければ、再び同じ負担がかかります。
だからこそ、
「整える=形を戻す」ではなく、
「整える=正しい支えを思い出す」ことが大切です。
感覚が変われば、身体は自然に戻る力を持っています。
外反母趾についてお悩みの方は、ぜひ松本市岡田の整体りびるどにご相談ください。







