Q.朝起きたら首が動かない…それって本当に寝違え?【深堀りQ&A】
A.“多くは寝違え”ですが、痛みの出方やしびれの有無によっては別の原因も考えられます。
寝違えは「感覚と動きのズレ」がきっかけで起こる一時的な防御反応。
しかし、神経の圧迫や炎症が関係するケースでは、首だけでなく腕や肩にも症状が広がることがあります。
目次
🔍寝違えと「頸椎症」の違いとは?
朝の強い首の痛み=すべて寝違え、とは限りません。
一般的な寝違えは、寝返りなどの軽い刺激で
筋膜や関節包が一瞬引っかかり、身体が“これ以上動かさないように”防御反応を起こす状態です。
一方、「頸椎症」や「神経根症」では、
加齢や姿勢の影響で椎間板や骨の変形が神経を圧迫し、
しびれや腕のだるさ、持続的な痛みを伴うことがあります。
✔ 見分ける目安
- 首を動かすと痛いけど、じっとしていれば楽 → 寝違えの可能性大
- しびれ・うずき・力が入りにくい → 神経関係の可能性あり
- 痛みが数日たっても強い、夜間痛が続く → 要注意サイン
この見極めは“動かせるか”ではなく、痛みがどう広がるか・変化するかがポイントです。
💡寝違えが起こる背景
寝違えは「寝相が悪かった」からではなく、
日常の姿勢・呼吸・感覚のズレが積み重なった結果です。
・長時間のスマホやデスクワークで首が前に出る
・胸郭が硬く、呼吸が浅い
・肩甲骨や背中の動きが乏しく、首に負担が集中する
これらの状態で寝返りを打つと、
“本来なら連動するはずの動き”がうまく伝わらず、
首の一部だけに負荷が集中してしまうのです。
2023年の報告(Wang et al., Journal of Bodywork and Movement Therapies)でも、
寝違えの発症例の多くに「胸椎の可動制限」「呼吸パターンの乱れ」が関連しているとされています。
🧩寝違えと神経痛の見分け方のポイント
痛みの質を感じ取ることが大切です。
| 症状の特徴 | 寝違え | 神経根症など |
|---|---|---|
| 痛みの出方 | 局所的で鋭い痛み | 広がる・放散する痛み |
| しびれ | なし | あり(腕や肩に広がる) |
| 動作時痛 | 一方向に強い | どの方向でもジンジン |
| 安静時 | 楽になる | 夜間も痛むことあり |
この表を参考にしながら、「感覚が広がるかどうか」を観察してみてください。
💡痛みが強いときにやってはいけないこと
・無理に首を回す
・痛みを我慢してストレッチ
・温めすぎる(急性炎症がある場合は逆効果)
痛みが強いときは、首よりも肩甲骨・背中を軽く動かすことが効果的です。
首の動きは肩甲骨と連動しており、背中がゆるむと自然と首の動きも戻っていきます。
🧘♂️落ち着いたら意識したい3つの整え方
① 呼吸を深める
吸うより“吐く”を意識し、胸と背中の広がりを感じましょう。
呼吸が深まることで、首の筋肉(斜角筋や胸鎖乳突筋)の過緊張がやわらぎます。
② 背中を動かす
椅子に座ったまま軽く背中を丸め、ゆっくり戻す。
胸椎の柔軟性が戻ると、首の動きもスムーズになります。
③ 支えを取り戻す
足裏や骨盤の安定感を感じることで、
上半身の余計な緊張が抜けていきます。
“首だけを動かそうとしない”のが回復のコツです。
🧠まとめ
「朝起きたら首が動かない…」その痛みの多くは寝違えですが、
中には神経のトラブルが隠れている場合もあります。
焦らず、どこが痛いかより、どう痛むかを観察すること。
首だけでなく、呼吸・背中・肩の感覚を整えることで、
再び“動ける首”が自然に戻ってきます。
身体はいつでも、動きを思い出せるようにできています。
不安ということであれば、松本市岡田の整体りびるどにお気軽にご相談ください。







